斎藤清彦のページ


SENIORS POWER (H24・4・30)

H23・3・9 横浜みなとみらいホールで開催された国際シニア合唱祭に男性合唱団「晴嵐会」
の一員として参加しました。
100歳を迎えた日野原重明先生が名誉会長の合唱祭で、会長の講話もあり、大ホールに老人パワーが2日間にわたり発揮されました。
100歳まで元気で活躍されている先生のパワーをいただきました。



「若い世代への期待」H21・8・2


年寄りの口癖として、最近の若いものはだらしないとか、しっかりしていないとか

の発言はいつの時代にもよく聞かれるところです。

戦中と終戦を経験した私どもの時代は、食料不足の空腹と敵機来襲の空襲で、

質素な生活に耐えねばなりませんでしたし、また、私は中国で終戦を迎え、命

からがらやっと高知にたどり着くまでには生命の危険を感じる緊張感も味わいま

した。

戦時中、軍人勅諭は日本軍の精神の基盤でしたが、広く国民にもいきわたってい

たようです。

物質的には恵まれない時代で、結果は惨憺たるものでしたが、勝つまでは欲しが

りませんとか、忍耐力だけは旺盛であったし、マインドコントロールかも知れませ

んが、お国のためにという使命感があり、一種のバックボーンがあったことは確

かです。

私などは父が職業軍人であったためか家に掛け軸があり姉が読んでるいるのを

聞いて口真似していました。

幼い頃の私は、軍人が兵隊さんであることも分からず、軍人が人参に聞こえて

ヒトツ ニンジンハ・・・と復唱し、笑われた記憶があります。


1 軍人は忠節を盡すを本分とすへし

1 軍人は禮儀を正しくすへし

1 軍人は武勇を尚ふへし

1 軍人は信義を重んすへし

1 軍人は質素を旨とすへし


戦後の民主化の教育についての個々の老人のボヤキではなく、最近の若者には

ニートとか引きこもりとかの問題があり、自立に欠ける風潮のなか、もっとしっかり

してよとの国のボヤキから、国としての若者への期待と願望が具体的に示された

法律があります。

その一つが、2007年5月14日付けの国民投票法(正式名称は、「日本国憲法の

改正手続きに関する法律」)の成立です。

この法律により国民投票の投票権が原則18歳以上に与えらたのです。

そして、付則で、国民投票の投票権が原則18歳以上に与えられからには、民法

の成人年齢等も18歳に引き下げるべく整備すべきとの方針が示されました。

この方針を受けて、法務大臣の諮問機関である法制審議会の民法成年年齢部

会は、民法の成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げるのが適当との報告

書をこのほどまとめ公表しました。

年齢の引き下げで、18歳から社会的、経済的に独立した大人として扱われるこ

とになりますが、これには若い人たちに18歳から日本の将来の国づくりの中心に

なって欲しいという国の期待と願いがこめられています。

国民投票権の年齢と成人の年齢は必ずしも関係はないとしながらも、政治に参

加しているという意識と責任感を実感できるようにするためには、民法上も18歳

になれば自分の判断と責任において市民生活で独り立ちできるようにするのが

適切との考え方です。

また、国際的には18歳で成人とする国が多いのも背景にあります。

もっとも、外国での18歳適用は、徴兵制度とも関連している面もあるそうです。


18歳で成人ですから、原則として18歳になれば、親の同意なしに買い物とか自

由に契約ができるし、両親の親権は及ばないことになります。

こうなると、未成年者が契約して不利益を被った際に救済するための契約取消権

が、18歳の人と19歳の人に適用されなくなる点は不利ですから、どのような救

済対策をとるかは今後の検討課題です。

ただし、養子を取れる年齢は現行の20歳のままで良いし、婚姻適齢は現在男

18歳、女16歳ですが、これは男女とも18歳にするのが適当と報告書は述べて

います。

また、タバコやアルコールの年齢制限もそうですが、年齢に結びついた法律は

300余りあるそうです。

成人年齢を20歳から18歳に一律に引き下げることが、18歳と19歳の世代の

人の、また、社会の利益になるのかどうか、一概には決することができない難しさ

があり、民法上の成人年齢は18歳になったとしても、関連した法律は、それぞれ

の法律の規制の目的に沿った形で年齢の改正とか見直しがなされることになるで

しょう。

法律で18歳になれば成人ですと宣言し単に「成人」のレッテルを貼れば済むもの

ではなく、法律の整備はもちろん必要ですが、若者よもっとしっかりせよと主張す

るからには若者に夢と希望の持てる、生きがいのある社会環境の整備が前提に

なることは言うまでもないことです。

また、教育と啓蒙により青少年が名実ともの成人にふさわしい健全な社会人にな

れるように環境整備するのは私達大人の責任です。

民間の会社では、社是、社訓とかがあり、社員の目的意識・行動指針の統一を

図っています。

民主党の鳩山さんの「友愛」ではありませんが、青少年の指針となるような精神

的な高揚をはかるスローガンの設定が望まれます。

明日の日本を担う青少年の育成については、家庭、学校での教育、そして時あた

かも衆議院の総選挙を迎え、政治の重要性を痛感します。

そして、予算のばら撒き合戦ではなく、ビジョンのある政策を期待します。

(THE END)